朝日新聞 茨城県版 3/15掲載

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 敏腕記者・大脇和明さんのお力で朝日新聞茨城県版にも3/15に掲載頂きました(@@) ありがとうございます。

 夢見るピンクの豚からリアルに再現された豚まで、ひたすら豚だけを立体造形で表現している異色の芸術家がいる。筑波大助教の小野養豚んさん(37)だ。筑波大の最新研究棟には小野さん制作の異色の豚アートが空間を飾っている。

 昨夏完成したつくば市の筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(機構長・柳沢正史教授)の研究棟には、らせん階段のある吹き抜けに親子の豚が4組みずつ、宙を飛んでいる。ピンク色の巨体の母豚に子豚が寄り添い、目を閉じて夢見るようにフワフワと浮いている。

 大学病院の庭に展示してあった豚のアート作品を見た柳沢教授が、睡眠をコンセプトにした作品制作を小野さんに依頼。ポリエステル樹脂を素材に、親子の豚が夢見る姿を表現した作品「すぴー…すぴー…すぴー…」が完成した。

 養豚んさんは群馬県の養豚農家に生まれ、1千頭を超える豚に囲まれて育った。美術大で身近な存在だった豚をモチーフに、ドローイングや立体作品の制作を始めた。筑波大大学院を経て、3年前に同大助教になったが、ずっと豚だけを制作している。

 「人間にとって最高に効率の良い豚が生産され消費される。一方で食肉豚の生産工程を消費者は知る必要がない。命あるものを食べて生きているという意識がどれだけあるのか。そんな疑問が私の作品を貫くテーマ。豚に人間の姿を投影し表現していきたい」

 小野さんの展覧会「小野養豚ん展...pigeep...pigeep...」が27日まで、埼玉県川越市立美術館で開かれている。夢見る母子豚のほか、集団で行動する豚たちを表現した作品「暖」などを展示している。観覧無料。月曜休館(21日は開館、22日休館)。問い合わせは同美術館(049・228・8080)。