Statement

小野養豚んは、養豚場にて育ったことを芸術活動の軸として、身近な存在であり、生活の一部でもある豚をモチーフにして 豚の作品制作をしています。

豚は、さまざまな形で人間に見られる姿を持っています。傷つけ合ったり、慰め合ったり、人間の社会と 共通点を持った光景が檻の中で見られます。子豚の肌の色は、人間の赤ん坊に似てとても暖かく柔らかく感 じられます。 一方で、現代の日本においては、食肉の豚の生産工程を消費者は知る必要がなく見ることがありません。 このような消費の現代では、生に対しての低い価値感覚が無意識に与えられています。成長の早さ、飼育の 手軽さからもっとも身近で、人間にとって最高に効率のよい豚。これをひとつの例に、現代人の生への意識 が希薄化されていることは否めません。命あるものを食べて生きているという事実を、現代に生きる私たち がどれほど意識できているのでしょうか。

作者は、人間の姿や性格を豚に投影し、描出することで、生きることの欠点あるいは美点を探求しています。 作品を通じて人間社会を映し出し、一方で、生きることや食べることの根源に迫りたいと思っています。 “生”を軸としたテーマで“生きる”ことの喜びと“いのちを いただく”ことの有り難みをコンセプトとして表現活動をしております。

養豚農家を経営する両親のもとに生まれ育った経験から豚の作品を制作する豚造形家。豚思う故に我あり。