作った作品をプレゼントする?

自分で制作した作品をサプライズでプレゼントすることはあまりオススメしません. その人のお誕生日や特別な日に自分で作ったものをプレゼントしたらとても愛を感じるし良かれと思っているかもしれません. はたから見るととても美談ですね. しかしながら, もらった当の本人としては(とても気に入ればそれはそれで大成功ですが奇跡に近いような…)自分で選んだ物でなくて一方的に渡された物で趣味が違うと思うし. やはり, 作品は欲しい人がどうしても欲しいからお金を払って購入する訳で. その方が半永久的に大事にしてくれます. お金の話をすると汚く感じますが, ある程度の作品の価値は一般的にわかりやすい金額で決まってきます. 芸術作品というのはグレーな部分が多いです. 金額を作家の言い値で決めたり, 作品の領域によって価値観が大幅に違うなどあるからです. 例えば, 工芸作品の象嵌のように完成度をあげなくてはならない場合と現代アートで見られる未完成のドローイング作品が認められていたりなど, 両者は比較できません. このためグレーな判断となってきます. ここでわかりやすい判断材料として金額を付けるのが妥当でしょう. お金をはたいて購入してくれた人は, あの時 , これは〇〇円で買った作品だ, 無下にはできない, と常にどこかでその作品に対して想ってくれます. 私も何点か芸術作品を購入したことはあります. それは安かろうが少々高かろうが, 大事にしようとする想いは一緒です.

なぜ, いきなり, こんなことを!言うのかというと 今, ふと, 親戚のおばさまへビエンナーレに出品した作品(上画像)を一方的に送ったら, キレられた, という思ひ出をぽろぽろと思い出したからです. いつも展覧会には足しげく来てくれていて, 応援しているよって1万円を包んでくれていて… 私の方からお礼の言葉はもちろん伝えていたのですが, 一度も作品を進呈していないなーと一方的に思い込みはじめた, というのがいきさつです. そのおばさまの意見としては部屋が狭いから作品など置く場所なんて無いのよ, ということでした. 絵だったら良かったかも. もう5年前の話で, そのおばさまも天国へ行かれました. 振り返るとまた違った美談にも見えますが.

それから, 知人の方へ結婚お祝いで個展に出品した作品(下画像)を進呈したことがあります. それはそれで勝手に売り出されていた!という経験もございます. これもかれこれ7年前のお話です.

なんやかんや, 経験を通して思ったことでした.
みんながみんな, すべてがすべて, そうではないので, あくまでも私の見解です.