吉田戦車の世界観はじわじわきます。
「戦え!軍人くん」「くすぐり様」「伝染るんです。」「いじめてくん」「ちくちくウニウニ」「火星田マチ子」「火星ルンバ」「ぷりぷり県」「歯ぎしり球団」は、何度も読み返しては、ひとり部屋の隅でクスッと笑っておりました。私の青春時代のビタミン剤は、吉田戦車と言っても過言ではありませんでした。
吉田戦車の世界はナンセンスでありながらも、なぜ大人になっても忘れないのでしょう。逆にこの独特のセンスは、私の体に染み込んでしまっています。ナンセンスの魅力を考えると、世界にあるもの全てに意味を付け、論理立てていくと単純に心も体も疲れます。意味が無くて、下らないものもたくさんあっていい。それが、アートです。ナンセンスとは、現実世界から距離を作ってくれる“おもちゃ”であり、生存に必要な“栄養素“であり、人間に必要不可欠で注入しないと死んでしまう、そんなところから魅かれるのかと思います。心と体のバランスを整える見えない錠剤です。
心が疲弊することは、人間にとって怖いこと。相手を恨んだり、殺人を犯したり、昨今の世界状況は心の余裕が無いと感じます。吉田戦車のナンセンスを堪能すれば、世界平和が訪れるのではないか、ぷりぷり県のつとむのようにほんわ〜と考えてみました。
そう、母ぶた子ぶたを作ってみて後ろに回って撮影してみたら、お尻がとてもぷりぷりになっており、おや?と気づいたら『ぷりぷり県』へのオマージュと言っても否めない”ぷりぷりぶた”となっておりました。やっぱり、吉田戦車は私の体にじっとり溶け込み、脳みその一部ともなっております。
ぷりぷりぶた
『ぷりぷり県』(ぷりぷりけん)は、吉田戦車による漫画、および作中に登場する架空の県。1995年から1998年まで『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に連載された。(http://ja.wikipedia.org/wiki/ぷりぷり県 より)
<ぷりぷり犬> 長い首が特徴の中型犬で、風のように強い息を吐く。春になると、一斉にさかりがつき夜通し風を吐いて吠え「春の犬風」と呼ばれる生暖かい突風が吹くことが風物詩とされている。(http://ja.wikipedia.org/wiki/ぷりぷり県 より)